第9話「資産を”残す”より、”託す”という生き方」

続・教員・公務員のための「人生100年・第二の人生を豊かにする10話シリーズ」

「遺産」ではなく「想い」を残したい

「先生、私は子どもたちに、お金ではなく、想いを残したいんです」

75歳の佐藤先生(仮名)は、そう言って微笑みました。

佐藤先生には、3人の子どもがいます。それぞれが独立し、経済的にも安定しています。

「だから、私の資産を相続で渡すより、生きているうちに、意味のある形で使いたい」

そして、佐藤先生が選んだのは、**「託す」**という生き方でした。

「残す」と「託す」の違い

多くの方が、「相続」を考えます。

でも、それは**「残す」**という発想です。

自分が亡くなった後、資産が子どもに渡る。

それも一つの選択肢です。

でも、**「託す」**は違います。

「託す」とは、生きているうちに、自分の想いとともに、資産を次世代や社会に渡すこと。

その違いは、大きいのです。

「残す」場合

・自分の死後、資産が分配される
・自分の想いは伝わらないかもしれない
・子どもたちがどう使うかは、わからない
・相続税が発生する可能性がある

「託す」場合

・生きているうちに、想いとともに渡せる
・使い道を見届けられる
・感謝の言葉を直接聞ける
・贈与税の非課税枠を活用できる

どちらが、人生を豊かにするでしょうか?

佐藤先生の「託す」実践例

佐藤先生は、3,000万円の資産をこう配分しました。

①孫への教育資金贈与:600万円

3人の孫に、それぞれ200万円ずつ。

教育資金の一括贈与には、1,500万円まで非課税という制度があります。

佐藤先生は、この制度を活用しました。

「おじいちゃん、ありがとう! これで、海外留学ができる!」

孫の笑顔を見て、佐藤先生は涙しました。

「お金を渡すことより、孫の夢を応援できることが、こんなに嬉しいなんて」

②母校への寄付:500万円

佐藤先生が教員として働いた母校に、図書室の蔵書購入費として500万円を寄付しました。

図書室には、「佐藤文庫」というプレートが掲げられました。

「これで、何百人もの子どもたちが、本を読んでくれる。私の想いが、ずっと残る」

③地域のNPOへの継続寄付:年50万円×10年

地域で子ども食堂を運営するNPOに、毎年50万円ずつ、10年間寄付することを約束しました。

「困っている子どもたちの役に立てる。これ以上の幸せはありません」

④子どもたちへの生前贈与:年110万円×3人×5年

子どもたち3人に、毎年110万円ずつ、5年間贈与することにしました。

年110万円までは、贈与税が非課税だからです。

「相続で一度に渡すより、少しずつ渡して、どう使うか見守りたい」

⑤自分たちの楽しみ:年100万円×10年

残りの1,000万円は、夫婦で旅行・趣味・健康に使うことにしました。

「まず、自分たちが楽しまないとね」

「託す」ことで得られる3つの幸せ

佐藤先生は、こう語りました。

「『託す』ことで、3つの幸せを感じています」

幸せ①:感謝の言葉を直接聞ける

「死んでから『ありがとう』と言われても、聞こえません。でも、生きているうちに『ありがとう』と言われると、こんなに嬉しいものなんですね」

幸せ②:使い道を見届けられる

「孫が留学する姿、母校の図書室に本が並ぶ様子、NPOの子どもたちが笑顔でご飯を食べる姿。すべて、この目で見られる。これが、何よりの喜びです」

幸せ③:生き方を次世代に伝えられる

「お金を渡すだけじゃない。『人のために使うことが大切だ』という私の価値観も、一緒に伝えられる。これが、本当の相続だと思います」

「託す」ための3つの方法

では、どうすれば「託す」ことができるのか?

3つの方法をご紹介します。

方法①:贈与 ─ 家族への想いを形に

【教育資金の一括贈与】
孫の教育資金として、1,500万円まで非課税で贈与できます。

【暦年贈与】
年110万円までは、贈与税がかかりません。毎年コツコツ渡せます。

【住宅取得資金の贈与】
子どもが家を建てるときの資金として、一定額まで非課税で贈与できます。

方法②:寄付 ─ 社会への恩返し

【認定NPO・公益法人への寄付】
所得控除の対象になり、税制上のメリットがあります。

【ふるさと納税】
自分の故郷や応援したい自治体に寄付できます。

【大学・母校への寄付】
教育機関への寄付は、将来への投資です。

方法③:教育支援 ─ 次世代の夢を応援

【奨学金の創設】
地域の子どもたちのために、奨学金制度を作ることもできます。

【家族への学びの支援】
孫の習い事、語学学校、資格取得費用など、学びに投資します。

「託す」ときの注意点

ただし、「託す」ときには、注意も必要です。

注意①:自分の生活を削ってまで渡さない

贈与や寄付は、自分の生活が安定していることが前提です。

まずは、生活防衛資金と運用資金を確保してから。

注意②:家族間の公平性を考える

複数の子どもがいる場合、贈与額に差をつけると、後々揉める原因になります。

公平に、または事前に説明を。

注意③:税制を理解する

贈与税・相続税のルールは複雑です。

IFAや税理士に相談して、最適な方法を選びましょう。

資産を「託す」=生き方を次世代に継ぐ

佐藤先生は、こう締めくくりました。

「私が子どもたちや社会に託しているのは、お金だけじゃないんです。『人のために生きることが、幸せだ』という、私の生き方そのものなんです」

これこそが、「託す」の本質です。

資産を残すのではなく、想いを託す。

お金を死蔵するのではなく、生きたお金として循環させる。

これが、人生後半の最も美しい生き方なのです。

最終話予告:「あなたの人生は、まだ”途中”です」

次回、第10話(最終話)では、**「あなたの人生は、まだ”途中”です」**をテーマにお話しします。

老後は「余生」ではなく、「本番」。

退職後の20年・30年をどう生きるかが、真のライフデザイン。

「お金」ではなく「時間」と「想い」を中心に据えた人生設計。

最後の贈り物は、”生き切った笑顔”。

シリーズの集大成をお届けします。


🌸 あなたの「託す」計画を一緒に設計しませんか?

この記事を読んで、

「生きているうちに、想いを託したい」
「贈与・寄付の最適な方法を知りたい」
「家族や社会に、どう貢献できるか考えたい」

そんな想いが芽生えた方へ。

世界を旅するFP&IFAレポートでは、教員・公務員OBの方向けに無料個別相談を実施しています。

✅ 贈与・寄付の税制優遇を活用したプラン設計
✅ 家族への想いを形にする具体的な方法
✅ 社会貢献と資産承継の両立プラン

「残す」から「託す」へ。想いとともに、資産を次世代に。

👉 無料個別相談のお申し込みはこちら


次回予告(最終話)
第10話「あなたの人生は、まだ”途中”です」
〜老後は”本番”。生き切った笑顔を最後の贈り物に〜

シリーズ最終話。
人生100年時代の真のライフデザインを、心を込めてお届けします。

次のブログへ  TOPページへ


🎁 特別プレゼント企画のご案内 🎁

あなたの会社の退職金制度、本当にこのままで大丈夫ですか?

従業員の定着率向上、採用力強化、そして節税効果まで。企業型確定拠出年金が注目される理由がここにあります。

「うちの会社でも導入できるの?」 「具体的にどんなメリットがあるの?」 「導入コストや手続きはどうなの?」

そんな疑問をお持ちの経営者・人事担当者様に朗報です!

📚 限定20冊!書籍プレゼント企画 📚

個別面談にお申込みいただいた方に、話題の書籍『頭のいい会社はなぜ企業型確定拠出年金をはじめているのか』(岩崎陽介著)を無料でプレゼントいたします。

✅ 他社の成功事例が知りたい
✅ 導入時の注意点を事前に把握したい
✅ 従業員にどう説明すればよいか悩んでいる
✅ 本格検討前にプロの意見を聞きたい

面談は完全無料・オンライン対応可能です。
お忙しい中でも、あなたの会社に最適な提案をさせていただきます。

先着20社限定のため、お早めにお申し込みください。

👇 今すぐ個別面談を申し込む 👇

※リンク先のフォームに会社情報をご入力後、STORESページで面談日程をご予約ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

■昭和42年2月13日生 ■出身:群馬県伊勢崎市 ■住まい:群馬県高崎市 ■趣味:Audi A5でのドライブ・映画鑑賞・都市伝説・クレー射撃・狩猟 ■保有資格 ・証券外務員一種 ・投資診断士 ・相続診断士 ・二級ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP(日本ファイナンシャル・プランナー協会) ・福祉住環境コーディネーター