第8話「”老後破産”より怖い、”老後後悔”をしないために」

続・教員・公務員のための「人生100年・第二の人生を豊かにする10話シリーズ」

「使えばよかった」という最期の言葉

「先生…私、後悔しています」

89歳の入院中の先輩教員が、私にそう言いました。

資産は2,500万円以上。年金も十分。お金の心配は一切ない方でした。

「何を後悔されているんですか?」

私が尋ねると、先輩はこう答えました。

「旅行に行けばよかった。70代のとき、まだ足腰が元気だったのに、『もったいない』と言って我慢した。今となっては、車椅子でどこにも行けない」

「孫にもっとプレゼントをすればよかった。でも、『将来の医療費のために』と思って、使わなかった。今、その医療費を使っているけど、孫の笑顔はもう見られない」

「結局、お金は残った。でも、思い出は残らなかった

その1ヶ月後、先輩は静かに旅立たれました。

2,500万円の資産は、すべて相続されました。

でも、先輩の心には、**「使わなかった後悔」**だけが残っていたのです。

「老後破産」より「老後後悔」が多い現実

メディアは、「老後破産」を盛んに取り上げます。

「2,000万円問題」「老後資金が足りない」

確かに、お金が足りなくなるリスクはあります。

でも、IFAとして数百人の老後を見てきた経験から言えるのは、

「お金が足りない人」より「お金を使わずに後悔する人」の方が、圧倒的に多い

という事実です。

なぜか?

日本人は、「もったいない精神」が染み付いているからです。

特に、教員・公務員として質素倹約を美徳としてきた方ほど、使えないのです。

「もったいない」が「もったいない人生」に変わる瞬間

「もったいない」

この言葉は、本来美しい価値観です。

無駄を省き、物を大切にする。

でも、度が過ぎると、**人生そのものが「もったいない」**ことになります。

例えば、こんなケース。

【Aさん:75歳】
夫婦で北海道旅行を計画。費用20万円。

「でも、20万円か…もったいないな。来年にしよう」

翌年、夫が脳梗塞で倒れ、旅行は永遠に叶わなくなった。

【Bさん:80歳】
孫の大学入学祝いに30万円渡そうと思った。

「でも、自分の医療費も心配だし…10万円にしておこう」

結局、医療費はほとんどかからず、90歳で3,000万円を残して他界。孫は「おじいちゃん、もっと自分のために使ってほしかった」と涙した。

これが、「もったいない人生」です。

80代・90代でも夢を叶えられる「未来逆算型マネー計画」

「でも、本当に使って大丈夫なのか不安です…」

その不安、当然です。

だからこそ、**「未来逆算型マネー計画」**が必要なのです。

これは、「いつ、何に、いくら使うか」を先に決める方法です。

ステップ①:「やりたいことリスト」を年代別に作る

まず、ノートを開いて、年代別にやりたいことを書き出します。

【60代】
・夫婦で世界一周旅行(200万円)
・孫の小学校入学祝い(10万円×3人)
・新しい趣味(陶芸教室・年10万円)

【70代】
・国内温泉巡り(年30万円)
・孫の大学入学祝い(50万円×3人)
・家のリフォーム(200万円)

【80代】
・孫の結婚祝い(100万円×3人)
・地域への寄付(年20万円)
・施設入所費用(必要に応じて)

【90代以降】
・医療・介護費用(年100万円想定)
・家族への遺産(残額すべて)

ステップ②:必要額を逆算する

次に、これらの費用を合計します。

【合計】
60代:300万円
70代:550万円
80代:560万円
90代以降:500万円(5年分)
総額:1,910万円

ステップ③:資産をシミュレーションする

現在の資産と運用計画で、本当に足りるのかシミュレーションします。

【前提】
現在資産:3,000万円
・生活防衛資金:500万円(運用せず)
・長期運用資金:2,000万円(年5%運用、月10万円取り崩し)
・楽しみ資金:500万円(やりたいことリストに充当)

【シミュレーション結果】
60代末:資産残高2,800万円
70代末:資産残高2,400万円
80代末:資産残高1,900万円
90代末:資産残高1,200万円

結論:十分に足ります。しかも、1,200万円も残ります。

これを見た瞬間、不安が消えるのです。

「使っても大丈夫だ」と。

吉田先生の「未来逆算プラン」

吉田先生(仮名・68歳)は、この未来逆算型マネー計画を実行しました。

70代でやりたかった「夫婦でヨーロッパ旅行」を、68歳で実行。

「もう待てない。今が一番元気なんだから」

費用150万円。

思い切って使いました。

パリ、ローマ、ウィーン。夢のような2週間。

「人生で一番幸せな旅でした。もし75歳まで待っていたら、きっと体力的に無理だったと思います」

そして、帰国後、吉田先生はこう言いました。

「お金を使うって、こんなに幸せなことだったんですね。これまで、ずっと『貯める』ことしか考えていなかった。でも、『使う』ことで、人生が輝くんだと気づきました」

「使う勇気」を持つための3つの考え方

それでも、「使う」ことに抵抗がある方へ。

3つの考え方をお伝えします。

考え方①:お金は「使うために貯めた」

そもそも、なぜお金を貯めたのですか?

老後のためですよね?

だったら、今が「老後」なんです。

使うべき時が、来ているのです。

考え方②:子どもは「親の幸せ」を望んでいる

「子どもに迷惑をかけたくない」

そう言って、お金を残そうとする親がいます。

でも、子どもは本当にそれを望んでいるでしょうか?

多くの子どもは、こう思っています。

「親には、もっと楽しんでほしい。お金を残すより、元気で笑顔でいてほしい」

遺産より、思い出を。

考え方③:「ちょうど使い切る」は不可能

「ちょうど寿命でお金がゼロになるように」と考える人がいます。

でも、それは不可能です。

人生の長さは、誰にもわからない。

だったら、「少し余るくらい」を前提に、使いながら生きるのが正解なのです。

後悔しない人生のために

人生の最期に、何を後悔するか。

調査によると、トップ3はこうです。

1位:やりたいことをやらなかった
2位:家族との時間を大切にしなかった
3位:もっと自分らしく生きればよかった

お金の後悔は、上位に入っていません。

つまり、人は「使いすぎた」ことより「使わなかった」ことを後悔するのです。

次回予告:資産を「残す」より「託す」

次回の第9話では、**「資産を”残す”より、”託す”という生き方」**をテーマにお話しします。

相続対策ではなく、「想いをどう託すか」という新しい視点。

お金を人・地域・未来へ回すための仕組み。

贈与・寄付・教育支援の実例。

「資産を託す」=「生き方を次世代に継ぐ」ことなのです。


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次回予告
第9話「資産を”残す”より、”託す”という生き方」
〜想いを次世代に継ぐ、贈与・寄付・教育支援の実例〜

相続対策ではなく、生き方を託す。
お金を人・地域・未来へ回す新しい視点をお伝えします。

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■昭和42年2月13日生 ■出身:群馬県伊勢崎市 ■住まい:群馬県高崎市 ■趣味:Audi A5でのドライブ・映画鑑賞・都市伝説・クレー射撃・狩猟 ■保有資格 ・証券外務員一種 ・投資診断士 ・相続診断士 ・二級ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP(日本ファイナンシャル・プランナー協会) ・福祉住環境コーディネーター