教員・公務員のための「人生100年・資産寿命を延ばす10話シリーズ

「卵を一つのカゴに盛るな」― 投資の格言が教えること
「分散投資が大切」――誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
しかし、“何を”分散すればいいのか、正しく理解している人は意外と少ないのです。
多くの方は、「日本株と外国株に分ける」「株式と債券に分ける」という程度の認識です。確かに、それも分散の一つですが、退職後の資産を本当に守るためには、もっと深い分散が必要です。
特に重要なのが:
- 通貨の分散 ― 円だけに依存しない
- 地域の分散 ― 日本だけでなく世界全体に投資
- 運用哲学の分散 ― 複数の運用会社の思想に分散
この3つを理解し、実践することが、資産寿命を延ばす最強の盾になります。
円安・インフレ時代における”通貨分散”の重要性
2024年、1ドル=150円を超える円安が進行しました。2020年には1ドル=105円前後だったことを考えると、わずか4年で約43%も円の価値が下落したことになります。
これが意味することは何でしょうか?
もし、あなたが退職金2,000万円をすべて円建ての定期預金に預けていたら、ドル換算では約1,400万ドル相当(2020年時点)から約1,000万ドル相当(2024年時点)に目減りしているのです。
つまり、円だけで資産を持つことは、それ自体がリスクなのです。
通貨分散の基本
通貨分散とは、円だけでなく、ドル、ユーロ、ポンドなど、複数の通貨建ての資産を持つことです。
具体的には:
- 米ドル建て資産:米国株式、米国債券
- ユーロ建て資産:欧州株式、欧州債券
- 新興国通貨建て資産:新興国株式
これらを組み合わせることで、円安になっても、他の通貨が補ってくれるという効果が得られます。
円安がもたらすメリット
円安は悪いことばかりではありません。海外資産を持っていれば、円安は”追い風”になります。
例えば、米国株式に100万円投資していた場合:
- 2020年(1ドル=105円):約9,523ドル
- 2024年(1ドル=150円):同じ9,523ドルを円換算すると約143万円
株価が変わらなくても、円安だけで43%の含み益が出ます。
これが、通貨分散の力です。
「日本・米国・欧州・新興国」ではなく「運用哲学」で分ける
多くの投資信託は、「日本株式30%、米国株式30%、欧州株式20%、新興国株式20%」といった地域分散を謳っています。
確かに、地域を分散することは重要ですが、それだけでは不十分です。
なぜなら、どの地域を選んでも、同じような銘柄を買っている可能性があるからです。
例えば:
- 日本株式ファンド → トヨタ、ソニー、任天堂
- 米国株式ファンド → アップル、マイクロソフト、アマゾン
- 欧州株式ファンド → LVMH、ネスレ、ASML
これらはすべて、「時価総額が大きい企業」を機械的に買っているだけです。運用会社の思想や哲学が反映されていません。
本当の分散とは、「どの地域か」ではなく、「どんな哲学で選ばれているか」で分けることです。

世界株式アクティブファンドを選ぶ際の3つの視点
退職金の一部をアクティブファンドで運用する場合、次の3つの視点で選びましょう。
視点1:運用哲学(理念)
質問すべきこと:
- このファンドは、どんな基準で企業を選んでいるのか?
- 短期の利益を追うのか、長期の成長を見据えるのか?
- 市場の流れに乗るのか、逆張りをするのか?
例:コムジェストの場合
- 哲学:「クオリティ・グロース」
- 基準:利益成長率が年10%以上見込める企業のみ
- 姿勢:短期の株価変動は無視し、5年・10年先を見据える
このように、明確な哲学があるファンドを選ぶことが重要です。
視点2:組入企業の透明性
質問すべきこと:
- 組入企業の上位10社は明示されているか?
- なぜその企業を選んだのか、説明があるか?
- 定期的にレポートが公開されているか?
優れたアクティブファンドは、組入企業とその理由を明確に説明しています。
例えば、コムジェストの月次レポートには:
- 組入上位10銘柄の一覧
- なぜその企業が「クオリティ・グロース」に該当するのか
- 最近の市場動向とファンドの方針
こうした透明性が、信頼できるファンドの証です。
視点3:長期視点の継続性
質問すべきこと:
- ファンドマネージャーは頻繁に変わっていないか?
- 過去10年、20年の運用実績はどうか?
- 市場が下落したときも、哲学を貫いてきたか?
優れたファンドは、短期の成績に一喜一憂せず、哲学を貫き続けます。
例えば、キャピタル・グループの「キャピタル世界株式ファンド」は、1930年代から80年以上にわたり運用を続けています。リーマンショックやコロナショックを経験しても、運用哲学を変えていません。
こうした”継続性”が、長期投資家にとって最も重要な安心材料です。
運用会社の思想の分散こそ、資産寿命を守る最強の盾
ここまで読んで、「結局、どのファンドを選べばいいの?」と思われるかもしれません。
答えは、「一つに絞らない」です。
推奨:3つの運用哲学に分散
退職金の運用部分(例:800万円)を、3つの異なる哲学を持つファンドに分散します。
例1:質重視型(コムジェスト型)
- 金額:300万円
- 哲学:利益成長が持続する優良企業のみに投資
- 特徴:市場が下落しても、質の高い企業を長期保有
例2:バランス型(キャピタル・グループ型)
- 金額:300万円
- 哲学:複数のマネージャーが独自の視点で分散投資
- 特徴:偏りが少なく、安定したリターンを目指す
例3:成長重視型(ベイリー・ギフォード型)
- 金額:200万円
- 哲学:イノベーション企業に集中投資
- 特徴:リスクは高いが、大きな成長も狙える
この組み合わせにより:
- 市場が好調なときは、成長重視型が利益を出す
- 市場が下落したときは、質重視型が損失を抑える
- バランス型が全体を安定させる
これが、運用哲学の分散による”最強の盾”です。

50代の教員・公務員へ ― 今から分散の感覚を養う
50代の方は、まだ退職金を受け取っていませんが、今からiDeCoやNISAで分散投資の感覚を養いましょう。
推奨配分例(月5万円の場合)
- iDeCo(月12,000円)
- インデックスファンド:6,000円
- アクティブファンド(質重視型):6,000円
- NISA(月38,000円)
- アクティブファンド(成長重視型):38,000円
こうして、複数のファンドを持つことで、運用哲学の違いを体感できます。
60代で退職金を受け取った方へ ― 今すぐ分散を
既に退職金を受け取った方は、今すぐ分散を実行しましょう。
推奨配分例(退職金2,000万円の場合)
- 安全資産(定期預金・普通預金):600万円(30%)
- インデックスファンド:400万円(20%)
- アクティブファンド:1000万円(50%)
この配分により、リスクを抑えながら、成長も狙える資産構成が完成します。
既に退職されて数年経つ方へ ― 今からでもリバランス
「もう定期預金に全額入れてしまった」「インデックスファンド一本で運用している」
そんな方も、今からリバランス(配分調整)を行うことで、分散効果を得られます。
例:定期預金1,500万円→分散配分
- 定期預金:700万円(残す)
- インデックスファンド:500万円(新規購入)
- アクティブファンド:300万円(新規購入)
- 質重視型:150万円
- バランス型:100万円
- 成長重視型:50万円
今からでも遅くありません。
まとめ ― 分散は”守り”の基本
分散投資は、「リスクを取る」ことではなく、「リスクを分ける」ことです。
- 通貨を分散して、円安リスクを減らす
- 地域を分散して、一国リスクを減らす
- 運用哲学を分散して、一つの投資スタイルへの依存を減らす
これらの分散が、退職後の資産を守る”最強の盾”になります。
次回は、「金融リテラシーが”最大の年金”になる」をテーマに、学び続けることの大切さをお伝えします。
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