【第5話】投資用マンションは本当に「悪」なのか?〜IFAが語る、保険との正しい比較〜

新シリーズ:「人生100年時代の“お金と幸せ”設計」

「ワンルームマンション投資はやめた方がいい」という常識

資産形成が順調に進んでいる後藤さん。

ある日、彼は複雑な表情で相談してきました。

「先生、不動産会社から投資用マンションの営業を受けたんです。三大疾病保障付きで、もし病気になったらローンがゼロになるって」

「でも、ネットで調べたら**”ワンルームマンション投資は詐欺”**って書いてあって…」

私は、彼の目を見て、こう言いました。

「後藤さん、一概に悪とは言えません。条件次第では、保険より優秀な場合もあるんです」

投資用マンションの「本当の価値」

多くのFPは、投資用マンションを否定します。

でも、IFAとして、私は全体像を見る必要があると考えています。

「後藤さん、投資用マンションには、3つの保障機能があるんです」

投資用マンションの3つの保障:

  1. 死亡保障
    • 団体信用生命保険(団信)で、死亡時にローン完済
    • 物件が遺族に残る
    • 家賃収入が遺族年金代わりになる
  2. 三大疾病保障
    • がん・心筋梗塞・脳卒中でローン完済
    • 以降、家賃収入が全額手元に
  3. 老後の収入保障
    • ローン完済後、家賃収入が生涯続く
    • 年金の補完になる

「つまり、“不動産”という実物資産を持ちながら、保険機能も兼ねるんです」

生命保険 vs 投資用マンション、徹底比較

「では、収入保障保険投資用マンション、どちらが優れているか比較しましょう」

ケース:45歳独身男性、月10万円の保障が欲しい場合

収入保障保険の場合

保険内容:

  • 月額保険料:約8,000円
  • 保障期間:60歳まで(15年間)
  • 死亡時:月10万円を60歳まで受取

総支払額:

  • 月8,000円 × 12ヶ月 × 15年 = 144万円

問題点:

  • 何も起こらなければ、144万円は掛け捨て
  • 60歳以降は保障ゼロ
  • 三大疾病では受け取れない(別途特約が必要)
  • 資産として残らない

投資用マンション(団信・三大疾病保障付き)の場合

物件概要:

  • 物件価格:2,200万円(都内・駅徒歩8分・築浅中古)
  • 頭金:200万円
  • ローン:2,000万円(金利1.8%、35年)
  • 家賃収入:月8.5万円
  • 管理費・修繕積立金:月1.5万円
  • 固定資産税:年12万円(月1万円)

月々の収支:

  • 家賃収入:8.5万円
  • ローン返済:約6.5万円
  • 管理費等:1.5万円
  • 固定資産税等:1万円
  • 実質収支:▲0.5万円(ほぼトントン)

15年後(60歳時点):

  • 総支払額:頭金200万円 + 月0.5万円 × 15年 = 290万円
  • 残債:約1,350万円
  • 物件価値:約1,800万円(立地が良ければ下落が少ない)
  • 含み益:約450万円

メリット:

  1. 死亡時:ローン完済、物件が遺族に残る
    • 月8.5万円の家賃収入が永続的に入る
    • 年間102万円の収入源
  2. 三大疾病時:ローン完済、物件が自分のものに
    • 治療費がかかる時期に、月8.5万円の収入
    • 管理費等を引いても、月7万円の純収入
  3. 何も起こらなくても:資産として残る
    • 60歳でローン完済すれば、月7万円の純収入
    • 売却も可能(含み益あり)

「つまり、保険は144万円の掛け捨て。マンションは290万円払って、450万円の資産が残る

後藤さんは目を丸くしました。

「マンションの方が、圧倒的に有利じゃないですか!」

「でも、空室リスクは?」という疑問

「先生、でも空室になったら、収入ゼロですよね?」

後藤さんの疑問は当然です。

「確かに、空室リスクはあります。でも、立地選びとサブリース契約で、かなり軽減できます」

空室リスクを減らす3つのポイント:

  1. 駅徒歩10分以内
    • 単身者の需要が安定
    • 空室期間が短い
  2. 都心または政令指定都市
    • 人口減少の影響を受けにくい
    • 賃貸需要が高い
  3. サブリース(家賃保証)契約
    • 管理会社が空室でも家賃を保証
    • 手数料は家賃の10-15%程度
    • 保証家賃:月7.2万円(家賃の85%)

「サブリース付きなら、空室でも月7.2万円が入ります」

サブリース付きの収支:

  • 保証家賃:7.2万円
  • ローン返済:6.5万円
  • 管理費等:1.5万円
  • 固定資産税等:1万円
  • 実質収支:▲1.8万円

「確かに、少し持ち出しが増えますが、空室リスクはゼロになります」

「営業電話のマンションはダメ」が正解

「では、なぜ”ワンルームマンション投資は詐欺”と言われるんですか?」

「それは、営業電話でかかってくる物件が、悪質だからです」

営業電話の物件が危険な理由:

  1. 新築プレミアムが乗っている
    • 販売価格:2,800万円
    • 実際の価値:2,200万円
    • 差額600万円は広告費・営業マンの人件費
  2. 立地が悪い
    • 駅徒歩15分以上
    • 築年数が古い
    • 空室リスクが高い
  3. 家賃設定が高すぎる
    • 「月10万円の家賃収入!」と言われて契約
    • 実際は8万円でも借り手がつかない
    • 結果、月5万円の持ち出し

営業物件の典型的な失敗例:

  • 物件価格:2,800万円(新築、駅徒歩18分)
  • 家賃:月9万円(営業マンの説明)
  • 実際の家賃:月7万円(相場)
  • ローン返済:月9万円
  • 管理費等:月1.5万円
  • 実質収支:▲3.5万円の大赤字

「だから、営業電話の物件は絶対に買ってはいけません

「でも、自分で良い物件を見つける、または信頼できるIFAに相談するなら、投資用マンションは有効な選択肢です」

IFAが推奨する投資用マンションの条件

「では、どんな物件なら買ってもいいんですか?」

IFAが推奨する5つの条件:

  1. 中古物件(新築プレミアムを避ける)
  2. 駅徒歩10分以内(賃貸需要が安定)
  3. 都心・政令指定都市(人口減少の影響を受けにくい)
  4. 利回り5%以上(実質利回りで計算)
  5. 三大疾病保障付き団信(保険機能を持たせる)

「この5つを満たす物件なら、資産形成と保険を兼ねることができます」

後藤さんの決断

「先生、僕…マンション、買ってみたいです」

後藤さんは真剣な表情で言いました。

「ただし、条件があります」

私は慎重に伝えました。

営業電話の物件は絶対に買わない。必ず、複数の物件を比較検討してください」

「あと、**頭金は最低でも物件価格の10%**は用意してください。フルローンはリスクが高すぎます」

後藤さんが選んだ物件:

  • 物件価格:2,100万円(築8年、都内、駅徒歩7分)
  • 頭金:300万円
  • ローン:1,800万円(三大疾病保障付き団信)
  • 家賃収入:月8.2万円
  • 実質収支:ほぼトントン

8年後、奇跡が起きた

後藤さんが投資用マンションを購入して8年後。

彼は、がんと診断されました。

幸い早期発見で、治療は成功。

でも、この時、三大疾病保障が発動しました。

ローン残債:約1,200万円 → ゼロ

「先生…マンションのローンが、全部なくなりました」

後藤さんは涙を流しながら言いました。

「もし、あの時収入保障保険を選んでいたら、何も残らなかった。でも、マンションがあったおかげで…」

がん治療後の後藤さんの収入:

  • 家賃収入:月8.2万円
  • 管理費等:▲1.5万円
  • 純収入:月6.7万円

「治療でお金がかかる時期に、月6.7万円の収入がずっと入り続けるんです」

「しかも、この物件は一生、僕のものです」

保険 vs 投資用マンション、結論

収入保障保険:

  • メリット:手続きが簡単、少額で始められる
  • デメリット:掛け捨て、資産にならない、60歳で終了

投資用マンション(良質な物件):

  • メリット:資産になる、三大疾病保障、老後の収入源
  • デメリット:頭金が必要、物件選びが難しい、管理の手間

「IFAとして、私は両方の選択肢を提示します」

「どちらが正解かは、あなたの状況次第です」

投資用マンションが向いている人:

  • 頭金が用意できる(300万円以上)
  • 長期的に資産を残したい
  • 老後の収入源が欲しい
  • 不動産に興味がある

収入保障保険が向いている人:

  • 頭金が用意できない
  • シンプルな保障が欲しい
  • 不動産管理が面倒

「後藤さんのように、条件が整っているなら、投資用マンションは素晴らしい選択肢です」

次回、第6話では、50代に入った後藤さんの「働き方」について考えます。

定年後も稼げる人と稼げない人の違いとは?


〜次回予告〜 【第6話】50代の「働き方改革」〜定年後も稼げる人、稼げない人〜

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ABOUTこの記事をかいた人

■昭和42年2月13日生 ■出身:群馬県伊勢崎市 ■住まい:群馬県高崎市 ■趣味:Audi A5でのドライブ・映画鑑賞・都市伝説・クレー射撃・狩猟 ■保有資格 ・証券外務員一種 ・投資診断士 ・相続診断士 ・二級ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP(日本ファイナンシャル・プランナー協会) ・福祉住環境コーディネーター