【第3話】iDeCoは「やるべき人」と「やらない方がいい人」がいる

新シリーズ:「人生100年時代の“お金と幸せ”設計」

「iDeCo、やった方がいいですよね?」

企業型DCの運用商品を変更し、マッチング拠出も始めた後藤さん。

次の面談で、彼はこう切り出しました。

「先生、iDeCoも始めた方がいいですか?テレビでもよく聞くし、節税になるって…」

「後藤さんの場合は、絶対にやるべきです」

私は即答しました。

「でも、実は全員にお勧めできるわけじゃないんですよ」

「え?そうなんですか?」

専業主婦(夫)がiDeCoをやるべきでない理由

少し前、こんな相談がありました。

Bさん(35歳・専業主婦)の事例:

「iDeCoが節税になると聞いて、月2万円で始めようと思ってます」

私は彼女に、真剣な表情で言いました。

「Bさん、やめた方がいいです

「え!?どうしてですか?」

理由は明確でした。

専業主婦(夫)がiDeCoをやるべきでない理由:

  1. 所得控除のメリットがない(そもそも所得税を払っていない)
  2. 60歳まで引き出せない(教育費など急な出費に対応できない)
  3. 口座管理手数料がかかる(年間2,000円〜3,000円程度)
  4. 受取時に税金がかかる可能性(一時所得または雑所得)

「つまり、メリットがほぼなくて、デメリットだけが残るんです」

Bさんは驚きました。

「じゃあ、何でみんなiDeCoを勧めるんですか?」

「それは、働いている人にとっては、とても良い制度だからです。でも、万能じゃない」

専業主婦(夫)の場合は、iDeCoよりも新NISAの方が圧倒的に有利です。

年収によって、節税効果は全然違う

iDeCoの最大のメリットは所得控除です。

でも、この効果は年収によって大きく変わります。

年収別・節税効果シミュレーション(月2万円の場合):

「つまり、年収が高い人ほど、iDeCoの恩恵が大きいんです」

後藤さんは年収520万円だったので、年間約4.8万円の節税効果がありました。

「なるほど…だから僕には合ってるんですね」

「60歳まで引き出せない」デメリットをどう考えるか

iDeCoの最大のデメリットは、60歳まで引き出せないことです。

「これって、やっぱりリスクじゃないですか?」

後藤さんは不安そうに聞きました。

リスクでもあり、メリットでもあります

私はこう説明しました。

デメリットになる人:

  • 住宅購入や教育費など、大きな支出予定がある人
  • 貯蓄がほとんどない人(緊急時の現金が必要)
  • 転職や独立の可能性が高い人(収入が不安定になるリスク)

メリットになる人:

  • 「老後資金は別枠で確保したい」と考える人
  • つい使ってしまうタイプの人(強制的に貯められる)
  • 長期的な資産形成を重視する人

「後藤さんの場合、独身で大きな支出予定もない。むしろ**”引き出せない”ことが強制貯蓄になる**」

後藤さんは納得しました。

「確かに、簡単に引き出せたら使っちゃいそうです…」

企業型DCとの併用、どうすればいい?

「先生、僕は企業型DCもマッチング拠出もやってます。iDeCoも併用できるんですか?」

これはよくある質問です。

企業型DCとiDeCoの併用ルール:

2022年10月から、原則として併用が可能になりました。

ただし、条件があります。

条件:

  • 企業型DCの拠出額 + iDeCoの拠出額 ≦ 月5.5万円(企業年金なしの場合)
  • 企業型DCの拠出額 + iDeCoの拠出額 ≦ 月2.75万円(企業年金ありの場合)

後藤さんの場合:

  • 会社拠出:月2万円
  • マッチング拠出:月2万円
  • 合計:月4万円

「つまり、iDeCoは月1.5万円まで可能です」

「でも先生、もう月2万円もマッチング拠出してるのに、さらにiDeCoもやるべきですか?」

マッチング拠出 vs iDeCo、どっちが有利?

これは非常に重要な質問です。

マッチング拠出のメリット:

  • 会社が商品を厳選している(選びやすい)
  • 口座管理手数料が不要(会社負担)
  • 手続きが簡単

iDeCoのメリット:

  • 商品選択の自由度が高い
  • 転職時も自分の口座として持ち運べる
  • 受取方法が選べる(一時金、年金、併用)

結論:

「まずはマッチング拠出を満額(月2万円)使う。余裕があればiDeCoを追加、というのが基本戦略です」

後藤さんは、最終的にこう決めました。

  • マッチング拠出:月2万円(継続)
  • iDeCo:月1万円(新規開始)

「無理のない範囲で始めて、ボーナス月に増額してもいいですよね?」

「はい、それがベストです」

年代別・家族構成別のおすすめパターン

私の経験上、iDeCoの活用は年代と家族構成で変わります。

30代・子育て世代:

  • 教育費がかかるので、iDeCoは控えめ(月5,000円〜1万円)
  • 新NISAを優先(いつでも引き出せる)

40代・独身または子育て終了:

  • iDeCoを積極活用(月2万円〜上限まで)
  • 老後資金を本格的に貯める時期

50代・老後直前:

  • iDeCoは最大限活用(節税効果が最も高い時期)
  • ただし、受取時の税金を考慮する

専業主婦(夫)・収入なし:

  • iDeCoはやらない
  • 新NISAで運用

後藤さんの10年後

43歳から始めたiDeCo。

53歳時点での評価額は約580万円でした。

内訳:

  • 元本:月1万円 × 12ヶ月 × 10年 = 120万円
  • 運用益:約180万円(IFAが選んだ優良アクティブファンドで運用)
  • 節税効果:約48万円(年4.8万円 × 10年)
  • 実質的な利益:約228万円

「たった月1万円でも、10年続けたらこんなに増えるんですね」

後藤さんは感慨深げに言いました。

「しかも、IFAが選んでくれた優良アクティブファンドのおかげで、インデックスより高いリターンが得られました」

あなたは「やるべき人」?「やらない方がいい人」?

この記事を読んで、自分がどちらか判断してください。

iDeCoをやるべき人:

  • 会社員・公務員で安定収入がある
  • 60歳まで引き出す予定がない
  • 老後資金を確実に貯めたい
  • IFAに相談して良い商品を選びたい

iDeCoをやらない方がいい人:

  • 専業主婦(夫)で所得がない
  • 近い将来、大きな支出予定がある
  • 貯蓄がほとんどなく、緊急資金が必要

判断に迷ったら、まずは月5,000円の少額から始めるのもアリです。

そして、IFAに相談して、最適な商品を選んでください

次回、第4話では、多くの人が悩む投資信託選びについて、IFAの視点から詳しく解説します。

「インデックスファンドが最強」という神話に、疑問を投げかけます。


〜次回予告〜 【第4話】IFAが教える「本当に価値ある投資」〜インデックスの罠と、アクティブの真実〜

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■昭和42年2月13日生 ■出身:群馬県伊勢崎市 ■住まい:群馬県高崎市 ■趣味:Audi A5でのドライブ・映画鑑賞・都市伝説・クレー射撃・狩猟 ■保有資格 ・証券外務員一種 ・投資診断士 ・相続診断士 ・二級ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP(日本ファイナンシャル・プランナー協会) ・福祉住環境コーディネーター