第7話「家族と”お金の会話”を始めよう」

続・教員・公務員のための「人生100年・第二の人生を豊かにする10話シリーズ」

言えなかった「ありがとう」

「もっと早く、話しておけばよかった…」

78歳で父親を亡くした中村先生(仮名・54歳)は、後悔の念に駆られていました。

父親は元教員。退職金と年金で、質素ながら穏やかな老後を送っていたように見えました。

でも、亡くなった後、通帳を整理していて、驚きの事実が判明しました。

「父は、毎月10万円ずつ、私たち兄弟の教育資金を貯めてくれていた」

30年間、黙って。

合計3,600万円。

遺言書には、こう書かれていました。

「お前たちが、何不自由なく育ってくれたことが、私の一番の幸せだった。このお金で、孫たちの教育を頼む」

中村先生は、涙が止まりませんでした。

「なぜ、生きているうちに話してくれなかったんだ。”ありがとう”を言いたかった…」

「まだ早い」が、「手遅れ」になる

多くの方が、家族とお金の話をすることを避けます。

「相続の話なんて、縁起でもない」
「まだ元気だから、そんな話は早い」
「子どもたちに心配をかけたくない」

でも、「まだ早い」と言い続けた結果、話す機会を永遠に失うのです。

中村先生の父親のように、想いを伝えられないまま旅立つ。

あるいは、認知症になって、本人の意思が確認できなくなる。

今が、最適なタイミングなのです。

「お金の会話」を「未来のプレゼント」に変える

では、どうすれば家族とお金の話ができるのか?

ポイントは、「お金の話」ではなく「想いの話」として始めることです。

ステップ①:エンディングノートではなく「生きるノート」

「エンディングノート」という言葉、重いですよね。

人生の終わりを想起させる。

だから、私は**「生きるノート」**と呼んでいます。

これは、**「これからどう生きたいか」**を書くノートです。

【生きるノートに書くこと】
・今後やりたいこと(旅行・趣味・夢)
・大切にしたい価値観
・家族へのメッセージ
・資産の現状と使い道の希望
・介護や医療についての希望
・万が一のときの連絡先リスト

これを、家族と一緒に見ながら話すのです。

「私はね、80歳までにこれをやりたいんだ」
「もし介護が必要になったら、こうしてほしい」
「このお金は、孫たちの教育資金にしたい」

**これは、「遺言」ではなく、「生き方の共有」**なのです。

ステップ②:家族会議を「年に1回の楽しみ」にする

「家族会議」と聞くと、堅苦しく感じますよね。

でも、これを**「年に1回の家族イベント」**にするのです。

例えば、こんなスタイル。

【家族会議の流れ】
①美味しい食事を囲む(レストランでも自宅でも)
②1年の振り返り(笑った こと、嬉しかったこと)
③来年の目標(個人・家族)
④お金と健康の現状共有(さらっと、明るく)
⑤困っていることの相談タイム

重要なのは、**「お金の話”だけ”をしない」**ことです。

お金は、人生の一部として、自然に話題に出す。

これなら、抵抗感が減ります。

ステップ③:「秘密」ではなく「共有財産」として扱う

多くの親世代が、資産額を秘密にします。

「子どもに知られたくない」

でも、それが逆に不安を生むのです。

子ども側は、「親の老後資金、大丈夫かな?」と心配する。
親側は、「子どもに迷惑かけたくない」と抱え込む。

お互いに心配しているのに、話さない。

これが、最も不幸な状態です。

だから、思い切って共有しましょう。

「私たちの資産は〇〇万円ある。年金は月〇万円。だから、老後の心配はしなくていいよ」

あるいは、

「正直、少し不安もある。もし何かあったら、相談させてね」

正直に話すことで、家族の絆は深まります。

佐々木先生夫妻の「家族会議」

佐々木先生(仮名・66歳)夫妻は、2年前から年1回の家族会議を始めました。

長男夫婦、長女夫婦、孫3人が集まります。

初回は、少し緊張しました。

でも、佐々木先生はこう切り出しました。

「今日は、みんなに話したいことがある。私たち夫婦の老後のこと、そして、もし何かあったときのことを」

長男は、少し身構えました。

「お父さん、何かあったの?」

「いや、元気だよ。でも、元気なうちに話しておきたいんだ」

そして、佐々木先生は「生きるノート」を見せました。

【佐々木先生の生きるノート】
・70歳までにやりたいこと:世界一周旅行、孫と温泉旅行
・資産状況:退職金・年金・運用資産で合計3,500万円
・老後の希望:施設には入らず、在宅介護を希望
・相続の希望:孫たちの教育資金として500万円ずつ
・葬儀の希望:家族葬、質素に

長女は、涙ぐみながら言いました。

「お父さん、こんなに考えてくれてたんだね。ありがとう」

長男も言いました。

「お父さん、お母さん、これからも元気でいてね。でも、もし何かあったら、私たちに任せて」

その日、佐々木家では笑顔と涙が交錯しました。

でも、それは**「悲しみの涙」ではなく、「感謝と安心の涙」**でした。

「笑顔で話せる」お金の文化を

家族とお金の話をするとき、大切なのは**「笑顔で話せる雰囲気」**です。

重苦しく、深刻に話すと、家族も身構えます。

だから、こんな言い方をしてみてください。

× 「遺産相続の話をしなければならない」
◯ 「みんなの未来のために、私たちの想いを伝えたい」

× 「もし私が死んだら…」
◯ 「もし何かあったときのために、準備しておこうと思って」

× 「お金のことで揉めてほしくない」
◯ 「みんなが安心して暮らせるように、今のうちに整理しておくね」

言葉を変えるだけで、雰囲気は全く変わります。

IFAと一緒に「家族会議」を開く

「でも、自分一人では話しにくい…」

そんな方には、IFAを家族会議に同席させるという方法もあります。

第三者がいることで、客観的に、冷静に話せます。

また、専門家の視点から、相続税・贈与税の最適化、資産の分割方法などもアドバイスできます。

私は、これまで何十組もの家族会議に同席してきました。

その場で涙する方、笑顔になる方、安心する方。

家族の絆が深まる瞬間を、何度も見てきました。

次回予告:”老後破産”より怖い”老後後悔”

次回の第8話では、**「”老後破産”より怖い、”老後後悔”をしないために」**をテーマにお話しします。

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次回予告
第8話「”老後破産”より怖い、”老後後悔”をしないために」
〜「使わなかった後悔」を防ぐ、未来逆算型マネー計画〜

「もったいない」が「もったいない人生」に変わる前に。
後悔しない人生の設計図をお伝えします。

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■昭和42年2月13日生 ■出身:群馬県伊勢崎市 ■住まい:群馬県高崎市 ■趣味:Audi A5でのドライブ・映画鑑賞・都市伝説・クレー射撃・狩猟 ■保有資格 ・証券外務員一種 ・投資診断士 ・相続診断士 ・二級ファイナンシャルプランニング技能士 ・AFP(日本ファイナンシャル・プランナー協会) ・福祉住環境コーディネーター