教員・公務員のための「人生100年・資産寿命を延ばす10話シリーズ

インデックスだけでは資産寿命を守れない時代
「投資をするなら、インデックスファンドが一番」
近年、この考え方が広く浸透しています。確かに、インデックスファンド(市場平均に連動するファンド)は、低コストで分散投資ができる優れた選択肢です。
しかし、退職後の資産運用において、インデックスファンドだけで本当に十分でしょうか?
インデックスファンドの特徴は、「市場平均に連動する」こと。つまり、市場が上がれば上がり、下がれば下がります。問題は、大きな下落が起きたとき、退職者には”回復を待つ時間”が限られているということです。
例えば、2008年のリーマンショック。世界株式市場は約50%下落しました。その後、約5年かけて回復しましたが、もしあなたが70歳で大暴落に遭遇したら、回復を待てるでしょうか?
ここで重要になるのが、“哲学”を持った運用会社が運用するアクティブファンドです。
“平均点”ではなく”哲学”に投資する時代
インデックス運用とアクティブ運用の違い
インデックス運用
- 市場平均に連動することを目指す
- 低コスト(信託報酬0.1〜0.5%程度)
- 感情なし、機械的に市場全体を買う
アクティブ運用
- 市場平均を上回ることを目指す
- やや高コスト(信託報酬0.8〜2%程度)
- ファンドマネージャーの哲学と判断が反映される
一見すると、「低コストのインデックスの方がいい」と思えます。しかし、アクティブファンドの真価は、”下落局面での守り”と”長期的な企業選別”にあります。
ファンドマネージャーの哲学が資産を守る
優れたアクティブファンドは、ただ市場平均を追うのではなく、「どんな企業に投資すべきか」という明確な哲学を持っています。
例えば:
- コムジェスト ― 「クオリティ・グロース(質の高い成長企業)」を追求。長期的に利益成長が見込める企業だけに投資。
- キャピタル・グループ ― 複数のマネージャーが独自の視点で銘柄を選ぶ「マルチ・マネジャー・システム」で、リスク分散を図る。
- ベイリー・ギフォード ― イノベーションと長期成長を重視。短期の市場変動に惑わされず、5年・10年先を見据えた投資。
これらのファンドは、市場が過熱しているときは割高な銘柄を避け、暴落時には質の高い企業を割安で仕込みます。つまり、”守りながら増やす”運用ができるのです。
退職金で作る”年金口座”という考え方
退職金を受け取ったとき、多くの方は「これは”元本”だから減らしたくない」と考えます。しかし、発想を変えてみましょう。
退職金は”元本”ではなく、”第3の年金をつくる原資”と捉えるのです。
年金口座の設計例
退職金2,000万円を受け取った場合:
ステージ1(直近10年用:65〜74歳)
- 500万円 → 定期預金・個人向け国債(安全資産)
ステージ2(中期10年用:75〜84歳)
- 700万円 → バランス型ファンド(株式40%+債券60%)
ステージ3(長期20年用:85歳以降)
- 800万円 → 世界株式アクティブファンド
この配分のポイントは、使う時期が先の資産ほど、成長性を重視することです。
85歳以降に使う800万円は、今から20年後です。20年あれば、多少の市場変動があっても回復する時間があります。だからこそ、長期的な成長を狙えるアクティブファンドが適しているのです。

世界株式アクティブファンドの選び方 ― 3つの運用哲学
ここで、代表的な世界株式アクティブファンドの運用哲学を比較してみましょう。
1. コムジェスト ― 「質の高い成長」を追求
運用哲学:
利益成長率が年10%以上見込める企業だけに投資。短期的な株価変動は無視し、5年後・10年後の企業価値を見据える。
組入企業例:
マイクロソフト、ビザ、ロレアル、LVMH(ルイ・ヴィトン)など、グローバルに展開する優良企業。
向いている人:
「質の高い企業に長期投資したい」「短期の上下に一喜一憂したくない」という方。
2. キャピタル・グループ ― 「複数の目」でリスク分散
運用哲学:
複数のファンドマネージャーがそれぞれ独自の視点で銘柄を選び、ポートフォリオを組む。一人のマネージャーに依存しないため、偏りが少ない。
組入企業例:
アップル、アマゾン、テスラなどのテック企業から、ネスレ、P&Gなどの生活必需品企業まで幅広く分散。
向いている人:
「一つの運用スタイルに偏りたくない」「バランス重視」という方。
3. ベイリー・ギフォード ― 「イノベーション」に賭ける
運用哲学:
世界を変える可能性のあるイノベーション企業に集中投資。短期の利益よりも、長期的な成長ポテンシャルを重視。
組入企業例:
テスラ、アリババ、メルカリ、ショッピファイなど、次世代を担う企業。
向いている人:
「未来の成長に投資したい」「多少のリスクを取っても大きなリターンを狙いたい」という方。
50代の教員・公務員へ ― 今から”哲学”を選ぶ
50代の方は、まだ退職金を受け取っていませんが、今からiDeCoやNISAでアクティブファンドを試してみることができます。
例えば:
- iDeCoで月12,000円のうち、6,000円をインデックス、6,000円をアクティブに配分
- NISAで月30,000円のうち、10,000円をインデックス、20,000円をアクティブに配分
こうすることで、退職金を受け取る前に、運用の感覚と哲学の違いを体感できます。

60代で退職金を受け取った方へ ― 配分を再考する
既に退職金を受け取り、「全額定期預金」「全額インデックス」にしている方。
その一部(50〜80%)をアクティブファンドに移してみることを検討してください。
例:退職金2,000万円の場合
- 定期預金:500万円(25%)
- アクティブファンド:1500万円(75%)
アクティブファンドをさらに分散:
- コムジェスト型(質重視):500万円
- キャピタル型(バランス):500万円
- ベイリー型(成長重視):500万円
これで、運用哲学を分散することができます。
既に退職されて数年経つ方へ ― 今からでもリバランス
「退職してもう5年、10年経つ。資産も減ってきた」
そんな方こそ、今こそアクティブファンドを検討してください。
残りの資産が1,200万円の場合:
- 安全資産:300万円
- アクティブ:900万円
アクティブファンドの成長力が、今後10年、15年の資産寿命を延ばす可能性があります。

インデックスとアクティブのハイブリッド戦略
誤解しないでいただきたいのは、「インデックスがダメ」ということではありません。
インデックスは”土台”、アクティブは”守りと攻め”という役割分担が理想です。
理想的な配分例:
- インデックスファンド(全世界株式):20〜30%
- アクティブファンド(複数の哲学):50〜60%
- 安全資産(定期預金・債券):10〜20%
この配分なら、市場の成長を取り込みつつ、下落局面でも一定の守りが効きます。
まとめ ― 運用会社の”思想”に投資する
退職金で第3の年金をつくるとき、大切なのは「どこに投資するか」ではなく「誰の哲学に投資するか」です。
インデックスファンドは確かに優れた選択肢ですが、すべてをインデックスに託すことが最適解とは限りません。
アクティブファンドは、ファンドマネージャーの哲学と判断が反映されます。その哲学に共感できるか、長期的に信頼できるか――それが選択の基準です。
次回は、「年金・税金・社会保険 ― “受け取り方”でここまで差が出る」をテーマに、年金受給戦略と税金対策についてお伝えします。
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