教員・公務員のための「人生100年・資産寿命を延ばす10話シリーズ

教員・公務員だからこそ活かせる”3本柱”
「共済年金があるから、他に何もしなくていいのでは?」
長年、そう考えてきた教員・公務員の方は少なくありません。確かに、民間企業に比べれば手厚い年金制度があります。しかし、それだけで本当に安心でしょうか。
前回までにお伝えしたように、インフレ、長寿化、医療・介護費用の増大――これらに対応するには、公的年金だけでは不十分です。
だからこそ、私たちは“3本柱”の資産形成を考える必要があります。
- 共済年金(公的年金) ― 終身で受け取れる安心の土台
- iDeCo(個人型確定拠出年金) ― 税制優遇を活かした私的年金
- NISA(少額投資非課税制度) ― 柔軟に引き出せる資産形成
この3つを組み合わせることで、老後資金の”黄金バランス”が生まれます。
公務員のiDeCo枠(12,000円)の意味を正しく理解する
2017年1月から、公務員もiDeCoに加入できるようになりました。しかし、掛金の上限は月12,000円と、他の職種に比べて少なめです。
「たった12,000円では意味がないのでは?」
そう思われる方もいるでしょう。しかし、この12,000円には大きな意味があります。
iDeCoの3つの税制メリット
1. 掛金が全額所得控除
月12,000円を拠出すれば、年間144,000円が所得控除されます。所得税率10%、住民税率10%なら、年間約28,800円の節税になります。
2. 運用益が非課税
通常、投資信託の運用益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoなら非課税です。30年間で100万円の運用益が出た場合、通常なら約20万円が税金で引かれますが、iDeCoならゼロです。
3. 受取時も税制優遇
一時金で受け取れば「退職所得控除」、年金で受け取れば「公的年金等控除」が適用されます。
30年間で築ける資産
仮に、40歳から60歳までの20年間、月12,000円を拠出し、年利3%で運用した場合:
- 総拠出額:288万円
- 運用益:約106万円
- 総額:約394万円
さらに、節税効果を年28,800円とすると、20年間で576,000円の節税。これを含めると、実質的な資産は約450万円相当になります。
「たった12,000円」が、20年後には450万円の資産と節税効果を生む――これがiDeCoの力です。

新NISAとの組み合わせで老後資金の”3本柱”を作る
2024年から始まった新NISA制度。これを活用しない手はありません。
新NISAの特徴
- 年間投資枠:つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=最大360万円
- 生涯投資枠:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 非課税期間:無期限
- いつでも引き出し可能(iDeCoは60歳まで原則不可)
iDeCoとNISAの使い分け
iDeCo → 老後の年金づくり
60歳まで引き出せないため、確実に老後資金として貯められます。税制優遇も大きいので、優先的に活用すべきです。
NISA → 柔軟な資産形成
いつでも引き出せるため、住宅購入、子どもの教育費、医療費など、予期せぬ出費にも対応できます。老後資金だけでなく、ライフイベント全般に使えます。
具体的な組み合わせ例
50歳の教員の場合(退職まであと10年)
- iDeCo:月12,000円(年144,000円)
- NISA:月50,000円(年600,000円)
- 合計:月62,000円(年744,000円)
10年間の総拠出額:約744万円
運用益(年利3%想定):約118万円
総資産:約862万円
これに退職金2,000万円と共済年金が加わります。
60歳の教員の場合(既に退職済み)
- iDeCo:既に加入できない(60歳未満が対象)
- NISA:年360万円まで投資可能
退職金の一部をNISAで運用すれば、運用益が非課税になります。例えば、退職金2,000万円のうち500万円をNISAで運用し、年3%のリターンがあれば、年15万円の運用益が非課税で得られます。
共済年金(公的)+私的年金(自助努力)の黄金バランス
共済年金の強みと限界
強み:
- 終身で受け取れる
- インフレスライド(ある程度物価に連動)
- 国が保証する安心感
限界:
- マクロ経済スライドにより、実質的な受給額は減少傾向
- 年金だけでは生活費を賄えない(月4〜5万円の赤字が一般的)
- 繰下げ受給しても、税金・社会保険料の負担増で得しない場合も
私的年金で補完する
共済年金は「土台」として確保し、その上に私的年金(iDeCo、NISA、退職金運用)を積み上げる。これが黄金バランスです。
例:65歳以降の収入構造
- 共済年金:月18万円(夫婦で)
- iDeCo取り崩し:月2万円
- NISA取り崩し:月1万円
- 退職金運用:月3万円
- 合計:月24万円
これで、一般的な高齢夫婦の支出(月26万円)にほぼ対応できます。さらに、退職金の残りを医療・介護費用の予備費として確保しておけば、安心感が増します。

現役時代から始める「分散の積立リハーサル」
50代、特に55歳以降の方は、退職後の生活を”リハーサル”するつもりで、積立を始めてみましょう。
リハーサルの具体例
- iDeCoで月12,000円
これが将来の「年金の上乗せ」になることを実感する - NISAで月30,000円
市場の上下を経験し、長期投資の感覚を身につける - 生活費を少し引き締める
退職後の収入減に備え、今のうちから節約体質を作る
このリハーサルを5年間続ければ、退職後の運用・取り崩しに対する不安が大幅に軽減されます。
60歳を超えた方へ ― 今からできること
「もう60歳を過ぎてしまった。iDeCoには入れない」
確かに、iDeCoは60歳未満しか加入できません(2022年5月から、企業型DCの加入者は65歳未満まで加入可能になりましたが、公務員は基本的に60歳で定年)。
しかし、NISAは年齢制限がありません。65歳でも、70歳でも、80歳でも利用できます。
退職金をNISAで運用する
退職金2,000万円のうち、500万円をNISAで運用すれば:
- 年3%の運用益:15万円(非課税)
- 通常の課税口座なら:約12万円(税引き後)
- 差額:年3万円、20年で60万円の節税効果
さらに、NISAで運用した資産を取り崩す際も非課税のため、税負担を抑えながら生活費を補うことができます。
既に退職されて時間が経過した方へ ― 今からの巻き返し
「退職してもう10年。ずっと定期預金のまま。今さら変えても意味がないのでは?」
いいえ、今からでも遅くありません。
例:70歳、退職金残高1,200万円の場合
- 安全資産(定期預金):800万円
- NISA口座で運用:400万円(世界株式バランス型)
仮に年3%で運用できれば:
- 初年度の運用益:12万円(非課税)
- 10年後の運用資産:約537万円(取り崩しなしの場合)
80歳時点で、運用しなかった場合より140万円以上の差が生まれます。

まとめ ― 教員・公務員の特権を最大限に活かす
教員・公務員の皆さまには、共済年金という強固な土台があります。これは大きなアドバンテージです。
しかし、それに甘んじるのではなく、iDeCoとNISAを加えることで、さらに強固な老後資金の”3本柱”を構築できます。
- 共済年金 ― 終身で受け取れる安心の土台
- iDeCo ― 節税しながら積み立てる私的年金
- NISA ― 非課税で運用・取り崩せる柔軟資産
この3つを組み合わせることで、インフレにも、長寿化にも、医療・介護費用の増大にも対応できる資産構造が完成します。
次回は、「退職金でつくる”第3の年金” ― 世界株式アクティブ運用という選択」をテーマに、さらに一歩進んだ運用戦略をお伝えします。
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