
その瞬間、未来への道筋が見えた
「社長、60歳で完全リタイアして、世界一周旅行に行くのが夢なんです」
そう語ったのは、広告代理店D社の営業課長・山本さん(35歳)でした。
企業型DCの説明会で、彼女が質問したのは次のようなことでした:
「企業型DCで老後資金は準備できそうですが、60歳までに好きなことをするお金も貯めたいんです。何か良い方法はありませんか?」
その質問を聞いた瞬間、社長の中村さんは気づきました。
社員たちは、老後の安心だけでなく、人生を豊かにする夢も持っている
そして、その両方を実現する方法があることを。
「強制力」と「自由度」の絶妙なバランス
企業型DCとNISAの組み合わせは、まさに**「最強の両輪」**と呼ぶべき戦略です。
なぜなら、それぞれが持つ特性が完璧に補完し合うからです。
企業型DCの特性:「強制力」
メリット:
- 給与天引きで確実に積立
- 60歳まで引き出せない(強制的な継続)
- 税制優遇が非常に大きい
- 老後資金に特化した制度設計
デメリット:
- 途中での引き出しが原則不可
- 投資商品の選択肢が限定的
- 60歳まで資金拘束される
NISAの特性:「自由度」
メリット:
- いつでも引き出し可能
- 投資商品の選択肢が豊富
- 非課税期間が長期(つみたてNISAは20年間)
- 様々な目的に使える
デメリット:
- 拠出時の所得控除なし
- 意志力に依存する部分が大きい
- 年間拠出上限が限定的(つみたてNISA:40万円)
「老後資金=DC、夢の実現=NISA」という役割分担
この2つの制度を組み合わせることで、人生設計に明確な軸ができます。
企業型DC:「絶対に確保すべき老後資金」
- 65歳以降の生活費
- 医療・介護費用
- 最低限の生活水準を維持するための資金
NISA:「人生を豊かにする資金」
- 60歳での早期リタイア資金
- 子どもの教育費
- 住宅購入・リフォーム資金
- 趣味や旅行などのゆとり資金

山本さんの具体的な戦略
35歳の山本さんが、実際にどのような戦略を立てたかご紹介しましょう。
目標設定
60歳時点での目標額:
- 老後資金:3,000万円(企業型DC)
- 早期リタイア・夢実現資金:1,500万円(NISA)
月々の拠出額
企業型DC:月30,000円
- 年間拠出額:360,000円
- 25年間(35歳〜60歳)
- 想定年利:5%
- 60歳時点予想額:約2,180万円
NISAつみたて投資枠:月33,000円
- 年間拠出額:396,000円(上限:1,200,000円)
- 20年間(35歳〜55歳で満額拠出完了)
- 想定年利:6%(世界株式中心)
- 55歳時点予想額:約1,530万円
- 60歳まで5年間運用継続:約2,050万円
結果予想
60歳時点での資産:
- 企業型DC:約2,180万円
- NISA:約2,050万円
- 合計:約4,230万円
目標を大きく上回る結果となります。

世界株式ファンドを中心とした資産形成戦略
なぜ世界株式ファンドなのか?
1. 分散投資の効果
- 地域分散(先進国・新興国)
- 銘柄分散(数千社への投資)
- 通貨分散(為替リスクの軽減)
2. 長期的な成長性
- 過去30年間の年平均リターン:約7〜8%
- インフレに対する強さ
- 経済成長の恩恵を受けやすい
3. コストの低さ
- インデックスファンドなら信託報酬0.1〜0.2%程度、
しかし、アクティブファンドの中でも、優秀な運用会社なら信託報酬を上回る運用益。 - 維持コストが資産形成の邪魔をしない
推奨する投資配分
55~60歳まで、
企業型DC(成長重視):
- 世界株式ファンド:60%
- 先進国債券ファンド:30%
- 国内株式ファンド:10%
企業型DC(安定重視):
その後、
- 世界株式ファンド:60%
- 先進国債券ファンド:30%
- 国内株式ファンド:10%
NISA(成長重視):
- 世界株式ファンド:80%
- 新興国株式ファンド:20%
経営者E社長の成功事例
IT企業E社の代表取締役・田口さん(42歳)の事例をご紹介します。
7年前の決断
2018年、田口社長は企業型DCとNISAの併用を開始しました。
当時の状況:
- 年収:800万円
- 貯蓄:ほぼゼロ(事業立ち上げのため)
- 将来への不安:非常に大きい
投資戦略:
- 企業型DC:月50,000円(拠出)
- つみたて投資枠NISA:月33,000円
- 投資先:両方とも世界株式ファンド中心
7年後の現在(2025年)
企業型DC:約580万円
- 拠出元本:420万円
- 運用益:約160万円
NISA:約380万円
- 拠出元本:280万円
- 運用益:約100万円
合計資産:約960万円
田口社長の感想
「最初は月8万円の拠出がきつく感じました。でも、給与天引きなので意外と慣れるものです。
何より、資産が増えていくのを見るのが楽しくて、仕事のモチベーションにもつながっています。
7年で1,000万円近い資産ができたことで、経営に対しても余裕を持って取り組めるようになりました」
組み合わせ戦略の心理的効果
1. 「安心感」の創出
企業型DCで老後の最低限の安心を確保することで、NISAでより積極的な投資ができるようになります。
2. 「継続力」の向上
2つの制度で役割分担することで、それぞれの目的が明確になり、継続しやすくなります。
3. 「達成感」の積み重ね
短期的な目標(NISA)と長期的な目標(DC)の両方があることで、モチベーションを維持しやすくなります。
リスク管理の考え方
企業型DCでのリスク管理
時間を味方につける戦略:
- 20年以上の長期投資
- ドルコスト平均法の活用
- 暴落時も継続投資
成長型商品の活用:
- 株式100%、後半は債券40%程度の配分
- インディックス型よりも、優秀な運用会社のファンドが有ればアクティブファンド
- 運用益の最大化
NISAでのリスク管理
段階的な出口戦略:
- 目標達成時の部分利確
- 現金比率の調整
- 目的別の資金分離

社員教育の重要性
D社の中村社長は、制度導入と同時に投資教育にも力を入れました。
実施した教育内容
1. 基礎知識セミナー
- 投資の基本的な考え方
- リスクとリターンの関係
- 長期投資の威力
2. 実践的なワークショップ
- 個人の目標設定
- 具体的な商品選択
- ポートフォリオの作り方
3. 継続的なサポート
- 月1回の運用状況レビュー
- 市場動向の解説
- 個別相談の実施
教育効果の測定
導入1年後:
- 制度加入率:85%
- 投資継続率:98%
- 社員満足度:4.2/5.0
中村社長の感想: 「最初は投資教育なんて面倒だと思っていました。でも、社員の金融リテラシーが上がることで、会社全体の経済感覚も向上しました。
今では、予算管理や事業計画の精度も以前より高くなっています」
出口戦略の重要性
多くの人が見落としがちなのが、「出口戦略」の重要性です。
企業型DCの出口戦略
60歳以降の選択肢:
- 一時金受給:退職所得控除の活用
- 年金受給:公的年金等控除の活用
- 併用受給:税負担を最小化
NISAの出口戦略
目的別の取り崩し方:
- 短期目標:必要な分だけ売却
- 長期目標:段階的な利確
- 緊急時:元本部分から優先的に取り崩し
最後に:未来への投資
企業型DCとNISAの組み合わせは、単なる投資手法ではありません。
それは、**「未来の自分への投資」であり、「人生の選択肢を増やす戦略」**なのです。
月々の積立は、確実にあなたの未来を変えていきます。そして、その変化は数年後には目に見える形となって現れるでしょう。
次回は、多くの経営者が気になっている「繰上げ・繰下げ受給とDC運用」について詳しく解説します。
公的年金の繰下げ受給で本当に得をするのか?税金や社会保険料を考慮した場合の最適解について、具体的なシミュレーションをお見せします。
【次回予告】 「繰下げ受給で年金が42%増額されても、実は損をしている?」税金・社会保険料・介護保険料を総合的に考慮した場合の衝撃的な事実。そして、企業型DC+NISAで運用しながら取り崩す戦略が、なぜ繰下げ受給より有利なのか?実際の数字を使って詳しく検証します。
あなたの人生には、まだまだたくさんの可能性があります。企業型DCとNISAという2つの翼を使って、その可能性を現実にしていきませんか?
🎁 特別プレゼント企画のご案内 🎁
あなたの会社の退職金制度、本当にこのままで大丈夫ですか?
従業員の定着率向上、採用力強化、そして節税効果まで。企業型確定拠出年金が注目される理由がここにあります。
「うちの会社でも導入できるの?」 「具体的にどんなメリットがあるの?」 「導入コストや手続きはどうなの?」
そんな疑問をお持ちの経営者・人事担当者様に朗報です!
📚 限定20冊!書籍プレゼント企画 📚
個別面談にお申込みいただいた方に、話題の書籍『頭のいい会社はなぜ企業型確定拠出年金をはじめているのか』(岩崎陽介著)を無料でプレゼントいたします。
✅ 他社の成功事例が知りたい
✅ 導入時の注意点を事前に把握したい
✅ 従業員にどう説明すればよいか悩んでいる
✅ 本格検討前にプロの意見を聞きたい

面談は完全無料・オンライン対応可能です。
お忙しい中でも、あなたの会社に最適な提案をさせていただきます。
先着20社限定のため、お早めにお申し込みください。
👇 今すぐ個別面談を申し込む 👇
※リンク先のGoogleフォームで会社情報をご入力後、STORESページで面談日程をご予約ください。